できるだけ電車でバングラデシュへ!陸路でコルカタ〜ダッカを移動してみた
こんにちは、どすこいです。
最近鉄道に乗る記事が多めになってますが、今回も鉄道が登場します。
インドのコルカタからバングラデシュの首都・ダッカに、電車とバスを使って“その日じゅうに”移動してみるチャレンジです。(チャレンジと書きたくなるぐらい不安いっぱいだった)
普通はこの区間は全区間バスで行くか、もしくは飛行機に乗ると思います。
でも以前から書いてる通り、僕は鉄道がある区間は出来るだけ鉄道で行きたいんですね。
だから今回、電車が比較的まともに運行されているインド国内は電車に乗り、列車の本数が少ないバングラデシュ国内はバスに乗ってダッカを目指すことにしました。
ちゃんとその日じゅうにダッカに着けるのか?バングラデシュは入国にビザが必要だけどアライバルビザはその場で取れるのか?
不安だらけの移動でしたがどうにかなりました。以下その時の様子をレポートしていきます。
※今回の記事は2018年9月30日に行った旅行の話です。ビザの状況は日々変化するのでご注意ください。
- ものすごく早起きしてコルカタのホテルを出る
- まだ早朝なのに人が多すぎるシアルダー駅
- 国境に向かう電車に乗る
- バンガオンから国境までリクシャーに乗る
- インドの出国手続きへ
- バングラデシュのアライバルビザ取得の戦い
- 祝・バングラデシュ入国。
- 首都・ダッカへ向かうバスに乗り込む
- バングラデッシュ人の親日度は台湾以上
- 最大の難所「パッドマ川」でバスごとフェリーに乗る
- フェリーの上で味わうバングラデシュフード
- ついに首都・ダッカに到着
- ダッカのホテルが予想以上に高級だった!
- Asia Hotel & Resortsの朝ごはんが最強すぎる!
- 外に出るとギャップがヤバい
- インド・バングラデシュ関連の記事まだまだあります
ものすごく早起きしてコルカタのホテルを出る
時刻は朝の5時前。まだ薄暗いコルカタの街を急ぎ足で駅へと向かいます。
コルカタ〜ダッカは約300キロの距離。
東京〜名古屋間よりやや近いぐらいの距離ですが、バングラデシュ国内の移動は異常に時間がかかるという情報を得ていたので、この時間の出発になりました。
道ばたにはホームレスなのかそうじゃないのか、よく分からない人々がそこら中に寝ています。日本の感覚だとスラム街にしか見えません。
また別記事で改めて書きますが、日の登っていないインドは見た目が非常に恐いです。(でも何も事件は起こらない)
まだ早朝なのに人が多すぎるシアルダー駅
バングラデシュ国境への電車が発着するシアルダー駅に到着。まだ朝5時だと言うのに信じられない人の多さです。
今回乗る電車は普通の各駅停車なのでまだキップを買ってません。まずはキップ売り場に向かいます。
キップ売り場を発見。結構並んでます。
「インド人は並ぶ時に割り込まれないよう身体を密着させて並ぶ」とどこかで読んだんですが、全然密着させてないですね。民度が上がったんでしょうか?
発車案内に乗る予定の列車が表示されました。今回乗るのはシアルダー駅5:56分発、バンガオン行きです。
全てがめちゃくちゃなイメージのインドですが、時刻表に載っている電車は実際に駅に行ってもちゃんと存在してます。
いや当たり前なんですけどね。僕はそこすら疑ってました。
国境に向かう電車に乗る
待ってると発車時刻10分前ぐらいに電車が到着。この写真ではあまり見えないですが、やっぱりこの電車も人が多数ハミ出てます。
こんな朝早くから電車が混んでるってどういう事なんでしょうか?実はインドも日本みたいにブラック企業多いんですかね。
でも今回は乗れるのか?という心配はいりません。彼ら全員降りていきますから。
予想通り、折り返しのバンガオン行きは空いてました。まだ朝6時にもなってないですからね〜。
この時間に郊外行きの電車に乗る人はさすがに少ないですよ。
日本でも早朝の「高尾行き」とか「宝塚行き」って空いてるじゃないですか?それはインドも同じのようです。
・・と思ったら途中のダムダムジャンクションあたりからだんだん人が増えてきました。
Barasatという駅を過ぎたころには、立ち客が多数いるような状態に。
高尾と宝塚の話は忘れてください。インドはレベルが違いました。
午前7時54分、約10分遅れで終点のバンガオン駅に到着。
ここはインド・バングラデシュ国境の最寄り駅で、ここより先へは普通の電車では行けません。
一応、コルカタからダッカまで直通する「Maitree Express」という特急もあるんですが、外国人が乗るのは難しいようなので今回は断念しました。
バンガオンから国境までリクシャーに乗る
駅の前には国境イミグレまで行ってくれるリクシャーが大量にいます。
ここは国境の“最寄り駅”というだけで、国境まで歩いて行ける駅ってワケじゃないんですね〜。
屋根付きのリクシャーがいっぱいいたんですが、僕が乗ったのはなぜか・・
これです。たぶん今までの人生で乗ったタクシー系の乗り物の中でいちばん原始的だったんじゃないでしょうか。
適当にその辺のオッサンに声をかけたら、これの主だったんですw
これの上に荷物と一緒に乗って、アグラかいて出発。
40分後、国境に到着。思ったより遠かったです。
この独特な入り口から中に入ってまずインド出国の手続きを済ませます。
入ってすぐのところの両替所でインドルピーをバングラデシュの通貨、タカに両替。
以前、中国で両替が全然できなくて無一文になった記事を書きましたが、バングラデシュも同じような問題が起きやすい国と言えます。
レートは悪いですが、それでも数百円ぐらいの違いなので、ここで手持ちのルピーは全部タカに変えておきました。
インドの出国手続きへ
※ここから先、インド出国〜バングラデシュ入国は、実際に行こうと思ってる人のためにできるだけ省略せず細かく説明します。行く予定のない人は「祝・バングラデシュ入国」まで読み飛ばしてください。
道なりに進むとインド出国の各種手続きをする建物があります。
出国はアッサリ終わるだろう・・と思ってたんですが、ここはインド。思いもよらない出来事がありました。
僕は今回インドにアライバルビザ(Visa on Arrival)で入国してるんですが、「そのビザを発行するときに手数料を払っただろう?そのレシートを見せて」と言ってきたんですね。
まさかそんな事言われると思ってなかったので、めちゃくちゃ焦りましたよw
カバンの中を隅々まで探したらボロボロのレシートが出てきたので事なきを得ましたが、危うく捨てるとこでした。
このルートで旅行しようと思ってる方、入国の時にもらうレシート類はパスポートに挟んで大事に保管した方がいいですよ。
インドの出国を終えると「バングラデシュへの道」と書いた看板が。さぁいよいよバングラデシュの入国に挑戦です。
なぜ“挑戦”かと言うと、バングラデシュに入国するには「アライバルビザ」というのを入国管理の人に発行してもらわないとダメなんですね。
でもそれは「ビザください」と言って「はいどうぞビザです」ってすんなり発行してくれるものではなくて、ネットで調べてみたら面談とか色々あるようなんです。
中には「アライバルビザなんて制度はないよ」と言われた!と書いてるサイトもあったし、テロの影響でビザの発行が厳しくなってるかも?みたいな情報もありました。
だから今回のバングラデシュ入国はかなり不安だったんですね〜。
移動を飛行機じゃなくて電車・バスにしたのも「最悪入国ダメでも電車ですぐにコルカタに戻れるから」というメリットも考えての選択でした。
バングラデシュのアライバルビザ取得の戦い
不安な気持ちのままバングラデシュの入国管理局の建物に到着。さっそく中へ入ります。
中に入ってパスポートを見せると
「おっ、日本人?じゃあアライバルビザの申請用紙ほしいよね!ちょっと待って!」
とかなりノリのいい対応。不安は一気に吹き飛ぶことになりました。よかった〜。
こんな用紙をもらいました。右の小さな紙はどこの国でも書く普通の入国カードで、左のがアライバルビザの申請用紙。
一応アライバルビザ申請用紙の書き方を説明すると
- 収入は大体の金額でオッケー
- 税金のとこは何も書かなくていい
- 宿泊先はホテル名だけじゃなく住所も書いてと言われた
他のところも分からないところは空欄で大丈夫です。この用紙を見ながらこのあと入国管理の人と話すので、その時口で言えば書いてくれます。
入国管理の建物の中の様子。申請用紙を書き終わって待ってる間もどんどん人が入ってきます。
見た感じほとんどがバングラデシュ人のようで、黄色人種や白人旅行者も全く見かけませんでした。
しばらくすると申請用紙を見ながらの面接がスタート。
「バングラデシュのあとはどこに行くの?」
「えっ、飛行機でインドにまた戻るの?インドのアライバルビザって再入国OKだったっけ?」
「銀行の口座の残高はいくらあるの?」
そんな事を聞かれました。
インドのアライバルビザ再入国の件は、インド大使館のサイトのアライバルビザに関するページ(英語版)を印刷して持ってきてたので、それを見せたらどうにかなりました。
旅程も詳しく聞かれたので、ホテルの予約バウチャーと航空券を見せて、最初から最後まで全部説明。
印刷したものは絶対必要という訳ではないと思いますが、あった方が説明しやすいと思います。
ひと通り話終えたあと「じゃあちょっと着いてきて」と2階の部屋に案内されました。
そこでスタンプを押して終わりかな?と思ったら、そこにいた入国管理の最高責任者っぽい人とまた面接が始まりました。まさかの二次面接のスタートw
一次よりは簡易的でしたが、また同じことを説明。こんな入国初めてです。
祝・バングラデシュ入国。
そんなこんなで国境エリアに着いてから2時間の格闘の末、やっとバングラデシュに入国できました。時刻は10時45分(バングラデシュ時間)です。
人間、苦労して手に入れたものには有り難みを感じるものですが、入国して初めてみたバングラデシュの光景(上の画像)は実際の3割増しぐらいで輝いてみえました。
客引きが「ダッカ?バス?」と聞いてきますが、ダッカ行きのバスの事務所はすでに調べてあったので、急いでそこに向かいます。
この時間ならまだ今日中にダッカに着くバスに乗れるはずです。
無事、13時発のダッカ行きバスのチケットをゲット。
Green lineという会社のオフィスに行ったと思ってたんですが勘違いで、隣のShohaghという会社のバスを取ってました。まぁどっちも大手なので問題ないです。
時間まで付近を散策。見ての通りバングラデシュは英語表記がインドと比べて極端に少なく、看板の文字がほとんど読めません。
現地語はコルカタもダッカも同じベンガル語圏なので、国境を超えても言葉は変わりません。でもなぜか英語の通用度は一気に下がりました。
教育が違うんですかね?バングラデシュは完全なるベンガル語の世界です。
首都・ダッカへ向かうバスに乗り込む
時間になったので乗客みんなでバス乗り場へ。
バス乗り場は国境からやや離れたとこにあるってネットには書いてあったんですが、今回はすぐ近くでした。移転したんですかね。
車内の様子。普通にキレイなバスです。(窓は数カ所ヒビが入ってたけどw)
乗客は20人ほどで、多分ほとんどが知らない人同士です。でもなぜかみんなすぐに仲良くなってベラベラ喋ってました。
完全に修学旅行のノリです。
インドだったらたぶん、明らかに異質な僕を見てすぐに「どこから来たの?」「写真撮ろうよ!」となるところですが、バングラデシュ人の彼らはシャイなのか、全然話しかけてきません。
バングラデッシュ人の親日度は台湾以上
でもやっぱり耐えかねたようで、2時間ぐらいしたら乗客の一人が話しかけてきました。
「ねぇ・・どこからきたの?」
もうそこから話題は日本一色。やっぱりみんな気になってたんですね〜。
こっちを見て「日本?え〜っ!あの日本から来た人なの??すごい!」とかなり興奮してる様子。
※欧米や黄色人種の国ではこんなのあり得ませんw
ほとんどの人はやはり英語が苦手なようでしたが、一人英語が得意な人がいて、通訳してみんなが言ってることを教えてくれました。
「バングラデシュでは“日本は最も友好的にするべき国”だと学校で習うんだ。日本の経済協力のおかげでキレイな道が出来たり、ビルが建ったり、すごく助かってる。だからみんな感謝してるんだ。」
「私たちの国はとても遅れている。コルカタからダッカなんて300キロしか離れてないのに移動に丸一日かかってしまう。日本だと速い電車で数時間で行けるんじゃない?」
「日本は朝から晩まで長時間働かないといけないって聞いたけど本当?」
話は尽きません。
最大の難所「パッドマ川」でバスごとフェリーに乗る
途中休憩を挟んだり、だんだん暗くなってきてみんな寝静まったり等いろいろあったあと、バスはこの旅最大の難所、パッドマ川に到着。
地図で見れば分かりますが、この川はかなり大きくて、インドと首都ダッカを結ぶ重要なルート上であるにもかかわらず、ちゃんとした橋がかかっていません。
なのでここではバスごとフェリーに乗って川を渡ることになります。
このフェリーに乗れる車の台数が限られてるので、川の手前で渋滞が起きて時間がかかってしまうんですね。
彼らによると、バスは公共交通なので優先的にフェリーに乗れるそうなんですが、それでも乗るのにかなり時間がかかっていました。
バスの中で寝ててもいいんですが、みんな外に出て行ったので僕もフェリーの様子を見学する事に。
フェリーの上で味わうバングラデシュフード
フェリーの船上にはちょっとした食べ物を売る人が。
この人何売ってるんだろ〜?と思って見てたら
「君この人が売ってる食べもの知ってる?たぶん日本にはないだろう〜。おごるから食べてみてよ!」
と英語が得意な例の彼がおごってくれることに。
そして出てきたのがこれです。トマトはどこに行ったの?って思いますよね。
実はトマトの下には色んな野菜を細かく切ったものと、ポン菓子のような白い何かがあって、それを全部シェイクして出来上がったのがこれなんです。
味はサラダ味のポン菓子って感じで美味しかったんですが、3口ぐらい食べて、あとは持ってた袋に入れてダッカまで持っていきました。
なぜかと言うと衛生がヤバそうだったからです。これ屋台でゴハン食べてるのと変わらないですからね・・。
あと3時間はバスに乗らないといけないのに、ここでお腹を壊す訳にはいきません。
後ろを振り返ると、やっとバスもフェリーに乗り込んできました。
バスと一緒にフェリーの旅。不思議な感じです。
離島に行くわけでもないのにフェリーに乗ったのはこれが初めてかもしれません。
ついに首都・ダッカに到着
23時30分。ついにバングラデシュの首都・ダッカに到着。なんとかギリギリその日じゅうに着けました。
本当は21時台に着く予定の便だったんですが、やっぱりフェリーのあたりで通常より時間がかかったようです。
バスの人たちにホテル名を言ったらバイクタクシーを捕まえてくれたので、それに乗ってホテルに向かうことに。
ダッカのホテルが予想以上に高級だった!
今回泊まったホテルはオールドダッカ付近にある「Asia Hotel & Resorts(アジアホテル&リゾーツ)」というホテル。
一泊7000円ぐらいでそこまで期待はしてなかったんですが・・
着いたら結構いいホテルでビックリ。入り口にはセキュリティが3人も常駐していて、荷物検査までありました。
受付で名前を言うと名簿も何も確認せず「お待ちしておりました」という返事。予約した人の名前覚えてる・・すごい・・
たぶんここ高級ホテルの域に入るんじゃないですかね。いつも安いホテルばっかり泊まってるのでちょっと緊張しましたw
チェックインが終わるとすぐにボーイの人がやってきて「お持ちします」と荷物を持ってくれました。こんなの何年ぶりだろう。
部屋に入ると机の上になんとウェルカムフルーツが!!信じられません。(チェックインの時にはウェルカムドリンクもあった)
部屋もキレイだし、アジア最貧国に来たとは思えません。最貧どころかむしろ普段よりもレベルが高いですw
シャンプー、ドライヤー等のアメニティもちゃんと揃ってます。もちろんシャワーもあったかいのが出ました。
ベッドもキレイ。発展途上国にいる感じが全くしません。
Asia Hotel & Resortsの朝ごはんが最強すぎる!
そしてこのホテルで特筆すべきは朝ごはんです。
フェリーのくだりでも述べたように、バングラデシュは食べ物の衛生レベルが非常に低く、常に食中毒の危険に怯えながらの食事となります。
でもここは何と言っても高級ホテル。100%安心はできないものの、80%ぐらいは安心して色々食べることができます。
これ非常にありがたいです。
フタを開けると色んな種類のカレーや、炒め物、スープ等、バングラデシュならではの料理がたくさん。
デザートの種類も豊富でした。
色々試食したいので、ちょっとずつ7種類お皿にのせてみました。
カレーも美味しかったですが、真ん中のウインナーが入った炒め物が異様においしかったですね。写真見てたらまた食べたくなってきましたw
このAsia Hotel & Resortsというホテル、かなりおススメなのでダッカに行く際は是非泊まってみてください。
7000円〜8000円払うだけで富裕層になれますよw
Asia Hotel & Resorts - agoda -
外に出るとギャップがヤバい
外に出てみると一気にリアルな発展途上国の風景になってギャップがスゴイです。これホテルのすぐそばなんですけどね・・そうは思えないw
インド・バングラデシュ関連の記事まだまだあります
ダッカって、こう見えて意外とメルヘンなスポットとかあるんですよ。ピンクの王宮の紹介。
インドに実際行ってわかった治安の話も。
以上、コルカタ〜ダッカを電車・バスでその日じゅうにたどり着けるかチャレンジでした。