【バンコク】ドンムアン空港から中心部までは鉄道がオススメ!その理由を解説
こんにちは、どすこいです。
以前の記事でも何度か書いてますが、僕いつも空港から街の中心に行くときは、できる限り鉄道で行きます。
タクシーやバスも確かに便利なんですが、なんか味気なくないですか?やっぱり都会には鉄道で向かいたいですよ。
そして出来ることならその鉄道で、上野や阪急梅田みたいなその街を代表する巨大ターミナル駅に到着したいんですね。
そういうターミナル駅に降り立つと「その街にたどり着いた感動」が3割増しぐらいになるんですよ〜。大都市の玄関口に降り立つあの感じ。たまらないです。
タイの首都バンコク近郊にある「ドンムアン空港」はそれが出来る空港のひとつで、空港のすぐ横にある「ドンムアン駅」から、バンコク中心部へ向かう鉄道が出ています。
今回はタイのレトロな鉄道移動の魅力を以下書いていきます。
- ドンムアン空港から鉄道駅へむかう
- 本数は意外と多い
- 昭和にタイムスリップしたような旅情がたまらない
- スピードはかなり遅い
- 近代的な空港アクセス鉄道も建設中
- そしてターミナル感あふれるクルンテープ駅に到着
- 昭和から一気に未来都市に
- バンコクの想像を超えた未来都市っぷりは別記事で紹介します
ドンムアン空港から鉄道駅へむかう
時刻はまだ朝の4時。タイの首都・バンコク近郊のドンムアン空港に到着しました。
なぜこんな朝早くに到着したのかと言うと、関空を夜中の0時に出発するエアアジアの深夜便に乗ったからです。
時期にもよりますが、なんとこの便、片道1万円台前半で乗れる夢のような便なんですよ。尋常じゃなく安いですよね。LCCにはホント頭あがりません。
しかも寝て起きたらタイですよ。こんな都合のいい便がありますか?
だから僕がタイの空港に着くのはいつも朝の4時。この時間だとまだバスは走ってないので、普通はタクシーで中心部へ向かうことになります。
でも・・?僕が向かうのはタクシー乗り場ではなく、上の写真で少し見えてる小さな入り口なんですね。
これです。鉄道駅に繋がってるようには見えないですが、よーく見ると入り口の左上のほうにRailway stationと書いてあります。
中の階段を上って左に進むと・・
またもや鉄道駅に繋がってるとは思えない扉が“さりげなく”現れます。(ちゃんと見てないと見落とすので注意)
この扉さえクリアしたらあとは簡単です。「Bangkok Bound Platform」と書いてあるところを降りれば・・
駅に到着。ここの窓口で「Bangkok」と言えばキップが買えます。
もうこの時点で日本にはない独特な“タイのニオイ”がムンムンで、「そうそう、タイのこのニオイ癒されるよね〜」とか一人で言ってます。
タイって何とも言えない甘〜いニオイがあるんですよ。
本数は意外と多い
ホームには時刻表も掲示されていて、乗る列車がどこから来るのかが分かります。
4時台はタイの地方都市を前日の夜に発車した「バンコク行きの夜行列車」が次々とここドンムアンに到着するので、なんと5本も列車が来ます。
Special Expressと書いてある列車は確か座席指定制で満席だと乗れなかったと思いますが、他は普通に乗れます。
つまりエアアジアの深夜便でドンムアン空港に着くと、着いて早々、タイの夜行列車を少しだけ体験しながらバンコクに向かうことが出来るんですね〜。
地方から夜行列車で来た人々と一緒に、タイの首都に“上京”するんです。
昭和にタイムスリップして、東北から上野に向かう夜行列車に大宮ぐらいから乗るような、そんな旅情がこの列車にはあって何度乗ってもあきません。
ちょうどこの写真を撮った時刻4:14分には北部の都市・Den Chaiから来た夜行列車の発車時刻。でも列車は発車どころか到着もしてません。
タイの鉄道は遅れる事が多いので、また今日も遅れてるのかな〜と思ってのんびり待ってると・・
5分も待たずに列車の光が見えました。いやぁ〜これまた都合がいい。
これまでに5回この鉄道を同じ時間帯に利用してますが、10分以上待った事はないです。
毎回“遅れてやってきた列車”にスムーズに乗ることができてます。
この列車ももしかしたらDen Chaiからの列車じゃなくて、數十分遅れてやってきた別の列車かもしれません。
どれに乗ってもバンコクには行くので、来た列車に乗ればそれでいいです。
ここから乗り込みます。
インドの電車よりは危険度は低いですが、この列車もドアは開けっ放しで走ります。
昭和にタイムスリップしたような旅情がたまらない
個人的には、この列車の車内最大の見どころは「薄暗い車両連結部」だと思ってます。
写真ではあまり伝わらないのが残念ですが、これに古い車両のニオイと、ひどい揺れ、開いたままのドア、そして夜行列車特有の静けさ。
それらが全部あわさって、この車両連結部には“何とも言えない恐ろしい雰囲気”を僕は感じるんですね。
これが味わい深いんです。
連結部の近くにあるこういう洗い場?みたいなのも何だか恐いです。
車内の様子。夜行列車らしく眠っている人が多いです。起きてる人もボーッと外を眺めてる人が多かったですね。
「この家族はバンコクに出稼ぎに行ってるお父さんに夜行列車で会いに来たのかな?」とか「彼はバンコクに夢を求めて田舎から出てきたのかな?」等、勝手な妄想が膨らみます。
日本では東京一極集中が問題になってますが、タイのバンコクはそれを遥かに超えた極度の“バンコク一極集中”状態で、 先進国並みの生活がしたければバンコクに出ていかざるを得ない状況があります。
高層ビルが林立し、地下鉄がどんどん建設されるバンコクに対して、地方都市は未だに高層ビルや地下鉄はひとつもない状態。
以前ラオスの北朝鮮レストランに行った時にタイの地方都市に訪れましたが、旧態依然とした街並みでバンコクとは別世界でした。
そんな夢の未来都市・バンコクへ向かうこの列車に乗る人々。窓の外に少しずつ見えてくる高層ビルを見て、色々な想いを巡らせているに違いありません。
スピードはかなり遅い
線路はバンコクに至るまでずっと複線のようで、時々逆方面行きの列車とすれ違います。
でもその割には駅じゃないところで長めに停車したり、ノロノロ運転をしたりと不可解な運転が続きます。
バスだと空港から中心部まで30分あれば移動できるんですが、列車はその倍の時間がかかるので、正直便利とは言えません。
早朝はまだ空港バスが走ってないので、この鉄道にも旅情以外に「安い」というメリットはあります。
でもバスが走りだす7時以降は、旅情を求めない場合はバスに乗ったほうがいいでしょう。値段も少し高い程度です。
地元の人も空港からの移動に鉄道は使わないそうです。だから冒頭で紹介した鉄道駅までの通路もあんな「一応行くことは出来るよ」的なものになってるんでしょうね。
近代的な空港アクセス鉄道も建設中
ただしその状況もあと数年で終わる模様です。この古い国鉄の線路の横では、現在新しい空港鉄道が建設中で、これが出来れば電車での移動が一気にスタンダードになるでしょう。
夜行列車の乗客もここドンムアンで新しい空港鉄道に乗り換えてバンコクを目指すようになるかもしれません。
それぐらい現行の国鉄は遅いです。地方で乗った時は結構スピード出して速かったんですけどね。
止まったり動いたりを繰り返して、列車は途中の主要駅・バンスー駅(Bang Sue)に到着。
ここは地下鉄に乗りかえが出来る駅で、中目黒や代々木上原のようなポジションと言えるでしょうか。
サイアムやビクトリーモニュメント等、都心に向かうにはここで乗り換えた方が早いです。
でもその誘惑に負けてここで降りてしまうと、この列車に乗ったメリットが半減してしまうんですよ〜。
ここまで来たなら是非終点・クルンテープ駅まで乗るべきです。
そしてターミナル感あふれるクルンテープ駅に到着
バンスー駅を出てもまだ不可解な運転は続きます。止まったり、動いたり・・。
しばらくすると向こうのほうにクルンテープ駅のホームが見えてきました。まもなく到着です。
ドンムアン駅から約1時間。ターミナル感溢れるクルンテープ駅に到着。やっぱりバンコクの玄関口と言えばここですよ。
ここのホームに降り立って首都の玄関口の風格を味わったあと、地下鉄に乗り、都心に向かう。
これが最も旅情のあるバンコクの訪れ方じゃないでしょうか。
この駅ほんと華やかですよね〜。
タイがこれだけ世界中から旅行者を惹きつける理由。それはこの国に流れる独特な“癒しの空気”の存在が大きいと思うんですが、ターミナル駅でもそれは健在です。
忙しいはずのターミナル駅なのに、なんかノンビリしてる。不思議な空間です。
昭和から一気に未来都市に
と、ここまでタイの古い列車の旅情を紹介してきましたが、これはあくまでバンコクから地方へ向かう“旧態依然”とした鉄道です。
上でも述べた通り、現在の首都バンコクは他のタイの都市とは全く違う別世界になっています。
バンコクの人々がメインで使うのは最新の技術を導入した都市鉄道です。
どうですか?発展途上国の「は」の字もないですよね。
後ろの高層ビル、そしてホーム上に設置されたホームドア。一気に50年進んだ感じです。
つまり今回紹介した夜行列車は日本人だけじゃなく、バンコクの人々にとっても時代遅れなものなんです。
地下鉄車内の様子。車内放送はもちろん自動音声で、テレビもついてます。
時代遅れな吊り広告がないので、むしろ日本より進んでるとも言えますね。
国鉄の夜行列車とエライ違いだ・・w
バンコクの想像を超えた未来都市っぷりは別記事で紹介します
以上、ドンムアン空港から鉄道に乗るメリットを書いてきましたが、共感できる点はありましたか?
どんどん往年の“タイらしさ”を失っていくバンコクの中で、この鉄道は昔ながらのタイの雰囲気をバンコク近郊にいながら感じられる貴重な乗り物だと思うので紹介しました。
逆に現在のバンコクがいかに別世界かというのは↓の記事で紹介してます。