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北朝鮮のエリートはどんな環境で育成されるのか

金日成総合大学

 

これまで当サイトでは北朝鮮の“普通の人々”を中心に紹介してきましたが、今回はエリートの話です。

 

 

度重なるミサイルの発射や、その都度発表される変な言葉使いの声明など、「おかしな国」というイメージしかない北朝鮮ですが、ちゃんとエリートも存在しています。

例えば政府の中枢で働く人達なんかはエリート中のエリートですよね。

 

彼らのほとんどは北朝鮮の東大こと、金日成総合大学を出ていると言われています。

 

北朝鮮には全土に30以上の大学があるそうで、金日成総合大学はその最高峰です。東大と同じく余程頭が良くないと行けないそうです。

そんな金日成総合大学と、エリートが通う「国立図書館」を台湾メディアが取材した映像を見つけたので、日本語に訳して紹介します。

 

 

 

youtu.be

(29分40秒あたりから大学の話になります)

 

建物に入る前にしなければならない“ある事”

 

動画は2016年の暮れに放送されたもの。

北朝鮮の教育環境だけではなくて、北朝鮮のホテルの様子や結婚式の様子など、色々紹介しています。その中でも特に貴重なのは29分40秒あたりから始まる大学の紹介。

 

まず大学の前に建っている、金正日の像に敬礼する所から始まります。

 

金日成総合大学の建物の中に入る前には、必ずこの金正日像の敬礼してから入らなければならないんですね。もういきなり北朝鮮感たっぷりです。

学生も毎日この銅像の前で立ち止まって、敬礼する所から1日が始まるそうです。動画でも実際に学生が敬礼していますね。

 

こういった銅像は北朝鮮では非常に神聖なものらしく、写真に撮る場合は全身が必ず収まるように撮らないといけません。あと後ろ姿の写真もダメだそうです。敬礼する時も「帽子をとって!」と注意されたり、もはや宗教ですね。

 

ちなみに金日成総合大学には日本の大学とは違って制服があり、女性は髪をあまり伸ばしてはいけない等の決まりがあるそうです。

 

北朝鮮当局が外国人に見せたいもの

 

一行はまずパソコンルーム(視聴覚室?)を見学。

 

北朝鮮当局は「北朝鮮にもちゃんと先進的なパソコンがあるんだぞ」と言うのを外国人にとにかく見せたいだけのようで、説明は「ここでパソコンがどういうものか学びます」といった簡単なもののみ。

その後、普段授業を行う教室を見学。至って普通の教室ですが、壁には金正日と金日成の写真が飾られています。

 

その後は大学の庭?のような所と、ハングルで혁명사적관(革命史跡館)と書かれている建物が映し出されます。大学自体の見学は以上で終了。

 

金正日はどんな学生だった?

 

その後少し質問タイム。

 

金日成総合大学は1960年に金正日が入学していて、政治経済学科という所を卒業しているんですが、それに関して質問が出ました。

 

「金正日のこの大学での成績はどうだったんですか?」

 

すると北朝鮮人のガイド(兼監視員)は、そんな事聞くなと言わんばかりに黙りこくって返事なしw

 

「それは答えられないですか?ねぇ、ねぇ」と台湾人側も遠慮なしに話しかけるのが面白いです。

 

金正日はこの大学で学んだ後、ソ連に留学して、そこで学んだ技術を元に北朝鮮の核開発の指揮をとったと言われています。なので金正日は別名「核兵器の父」とも呼ばれてるんですね。

そんな偉大なる核兵器の父が通った大学は、北朝鮮の若者にとっても憧れの場所で、みんな行きたがるそうです(そりゃあ最高学府にはみんな憧れますよね。)

 

 

 

北朝鮮の国立図書館

 

そして一行は人民大学習堂という建物の中にある国立図書館へ移動。

この人民大学習堂は、北朝鮮の色々な思想を学ぶのに最適な場所に立地しています。

 

まず屋上からは北朝鮮の重要な政治思想である「チュチェ思想」の象徴・チェチェ思想塔が真正面に見えています。そして目の前の大通りは、軍事パレードの時にはメインルートとなり、北朝鮮の中でも指折りの優秀な兵隊が行進します。

 

さらにその近辺には美術館や博物館が、そして建物の地下には大理石で出来た金日成の像もある・・。北朝鮮のエリートが勉強するのに申し分ない環境でしょう。

 

この国立図書館には3千万にも及ぶ本が置いてあって、Wikipediaによるとその規模は日本の国会図書館を超えているそう(あくまで北朝鮮の主張ですが)。そしてまたここにもパソコンが設置してあって、それで読みたい本がどこにあるか調べることが出来るようです。

 

と、ここでまた気になるのが北朝鮮のパソコンですよね。設置されているパソコンを遠慮なく使ってみようとしますが、残念ながら電源が付きません。

 

それでも諦めずに探します。すると電源の付いている物を発見。ガイド(兼監視員)の人に「インターネットは使えるんですか?“金日成はどのぐらい偉大か”って入れて検索してみてもいいですか?」と聞くと

「インターネットは繋がっていない。国内のみのイントラネットのみ使える。でも使わないで」と言われて、残念ながら北朝鮮のイントラネット体験は失敗。

 

これだけ自国にパソコンがあるのをゴリ押ししておいて、使わせない。さすが北朝鮮です。北朝鮮観光はあくまでサファリパーク。触っちゃダメなんですね。

北朝鮮のウェブの雰囲気は今のところ、以前↓の記事で書いた方法で体験するしかないようです。

www.nihongodedozo.com

 

どうでしたか?大学の建物は少ししか見せてくれませんでしたが、北朝鮮のエリート候補がどんな環境で勉強しているのかは結構伝わってきたと思います。

 

面白いのが、普通の国だとこういう“いい大学”を卒業した人は、起業したりだとか、大企業に勤めてすごい製品を開発したりとかするわけですよね。

でも金日成総合大学の卒業生の場合は、卒業後は核兵器の開発とか、国民の洗脳とかに日々を費やす訳です。なんという頭脳のムダ使いw

 

まぁ国が変われば常識も変わると思うので、彼らはそれで満足なんでしょう。

以上、北朝鮮のエリートの育成の話でした。

 

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