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日本語に“血の繋がった外国語”がないのはなぜ?

中国語の看板

日本語には血の繋がった外国語、すなわち「同系統の外国語」がありません。

ヨーロッパや東南アジア等には「ラテン系」や「マレー系」といった兄弟みたいな言語のグループがあるのに、なぜか日本語にはない。

 

日本語の兄弟は一体どこへ行ってしまったんでしょうか?もしかして一人っ子?今回はそんな日本語の血縁関係の話です。

 

 

 

言語にも血縁関係のようなものがある


「ヨーロッパの人は何も勉強しなくても、隣の国の言語を半分ぐらい理解できたりする」

 

そんな話、聞いたことないですか?

 

例えばスペイン語が分かる人は、ポルトガル語で喋ってるのを聞くと半分ぐらい理解できると言うのは有名な話です。

このふたつの言語は同じ「ラテン語」から派生した言語なので、お互いに半分理解できるぐらい似てるんですね。

 

生き別れになって独自の進化を遂げた兄弟みたいなもの、と言ったら分かりやすいでしょうか。

日本語の兄弟はどこに?


でも日本語にはそんな「生き別れになった兄弟」みたいな言語がありません。

 

日本の近くには韓国語、中国語、モンゴル語、ロシア語を話す言語圏があります。

でも海を隔ててるからか、なぜかどれも日本語とは血縁関係がない。

 

その中でも韓国語は、世界で一番日本語に似てる言語だと言われてるんですが、

皆さん、彼らが喋っているのを聞いて少しでも理解できますか?

 

できないですよね。

 

韓国語は勉強してみると、日本語と似てる点がたくさんあってビックリするんですが、それでも「同系統の言語」ではないんですよ。


「他人の空似」みたいな感じですかね。 ※諸説あります

 

 

韓国語と日本語の意外な距離

 

韓国語の文法は日本語そっくりだし、発音の似た単語もたくさんあります。


でも身体の部位に関する単語とか、「食べる」「欲しい」みたいな基本的な単語が全然違うんですよ。

日本語と発音の近い「カバン」「約束」「意味」のような単語も、ほとんど中国語由来の単語で、日本語と似てる訳じゃありません。

 

一番似てるとされてる韓国語でも、これぐらい距離があるんですね。

 

だから日本人には「母国語と似てるから簡単に習得できる外国語」というのがありません。

文法が似てるとか、漢字がわかる等の有利な点はあっても、基本的には一からの習得。

 

語学に関しては日本人はとことん不利ですね・・。その点はヨーロッパの人たちが羨ましいです。簡単に数カ国語とか習得できちゃうんですから。

中国語は日本人読めば理解できる

中国語は文字に関してだけ言えば同系統と言えるかも。

実は存在していた日本語の兄弟

 

・・とまぁ、ここまで日本語の寂しい孤立状態の話をしてきましたが、今回この記事で言いたいのはそんな事じゃありません。

 

実は日本語にも血の繋がった兄弟がいるんです。

説明するより聴いたほうが早いと思うので、ちょっとこの動画観てみてください。

 

youtu.be

 

ガチの津軽弁を話すおばあちゃんの動画です。

 

この動画のおばあちゃんは正真正銘の日本人です。でも何を言ってるのか全然わからないですよね。分かりそうだけどわからない。

これモンゴル語ですよ!って言われても信じてしまいそうなレベル。

 

ガチの津軽弁って、もはや外国語なんですよ。

 

「はたけ」「あのー」「新年会」「人」など、ところどころ分かる単語が聞こえます。でも何の話かは分からない。

たぶんヨーロッパの人が隣の国の血縁関係のある言語を聞くと、こんな感じなんだと思います。

でもこのおばあちゃんが話す言語って、標準語と比べるとポルトガル語とスペイン語以上の差がありますよね。(だって半分も理解できないんですからw)

日本語の兄弟は絶滅寸前だった

 

もし津軽地方が日本じゃなくてひとつの独立国だったら、間違いなくこの“ガチの津軽弁”は「津軽語」という立派な外国語に分類されると思います。

そしてその“津軽語”は日本語にとって唯一の“同系統の外国語”になるでしょう。習得も韓国語よりはるかに簡単なはずです。

 

つまり日本語には、血の繋がった兄弟がいない訳じゃない。

血の繋がった言語が方言扱いされて、絶滅寸前なだけなんです。

 

こういった“もはや外国語”とも言える方言は、津軽弁以外にも日本全国に多数あります。沖縄のウチナーグチとかもそうですね。

でもどの方言も、教育やメディアの影響で若い人はほとんど話しません。

若い人が話さないという事は、なくなるのは時間の問題ですよね。

 

死にゆく我が兄弟・・。日本全国どこでも標準語が通じるのは便利ですが、こういう味のある言語がなくなってしまうのは寂しいですね。

話す国の数が多ければいいってもんじゃない

 

よく日本語は「日本でしか通じないローカルな言語」と言われます。

 

でもそれって逆にいうと

「日本人は、日本語系の言葉が話されてる全ての地域を、ひとつの“日本”という国で統一できている」

そういうふうにも捉えられませんか?

 

お隣の韓国や中国は、同じ民族なのに南北に分断されてたり(韓国と北朝鮮)、共産主義と民主主義でふたつの国が出来たり(中国と台湾)、同じ民族同士でいがみあう状況が続いてますよね。

 

でも日本の場合、外国語のような言語文化がある東北地方や沖縄等も、ちゃんと日本として統一できている。

だから日本語は日本でしか通じないし、“血の繋がった外国語”もない。

 

それって悪い事じゃないと思うんですが、どうでしょうか?

 

 

日本語の兄弟はYoutubeで生存確認できます

 

今回もかなり持論を展開してしまいましたねw

 

Youtubeには津軽弁以外にも、日本各地の方言が聞ける動画がたくさんあります。特に沖縄の離島の方言は津軽弁レベルで日本語離れしてて面白いですよ。

 

方言に興味がある方はこの本も興味深いです。方言と標準語は、習得する場所や経路が違うという話。

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ちなみに日本語と血縁関係はないけど文法が似てる言語を↓の記事で

www.nihongodedozo.com

日本語とほぼ同じ文法の言葉を話す韓国人が、日本人同様、英語の習得に苦しんでるという話を↓に書きました。

www.nihongodedozo.com

 

 

以上、日本語の血縁関係の話でした