盲目のYoutuber・モリーの動画がいろいろ考えさせられる
今回は視力のほとんどを失った盲目のユーチューバー、Molly Burke(モリー・バーク)を紹介します。
目が見える僕らにとって、普段みてる日常の景色って刺激的でも何でもないですよね。
いつも通勤で使ってる駅の駅ビルを見て「美しい・・」とかいちいち思わないし
お昼によく行くモスバーガーの看板を見て「なんてきれいな緑色なんだろう」なんて思う人は稀です。
でも彼女の動画を観ると、そのあたりの感覚が少し変わります。盲目の人の生活を面白おかしく語る彼女の動画はなかなか刺激的ですよ。
目次
- 14歳の時に視力を失ったモリー
- 少しだけ光を認識することはできる
- アンチのコメントにもちゃんと反論
- モリーの盲目の人ならではの視点が興味深い
- その1、高い建物は数十キロ離れた場所からでも見える(ことを知らなかった)
- その2、服の生地は触らなくても“見える”(ことを知らなかった)
- その3、車の中の様子は車の外から見える(ことを知らなかった)
- モリーからするとみんな色んなものを“見すぎ”
- 僕らは思ったよりもエキサイティングな世界で生きている
14歳の時に視力を失ったモリー
僕がMolly Burkeを知ったのはこの動画。CaseyNeistatという有名なYoutuberのチャンネルに突然出てきて衝撃を受けました。
Mollyは2分10秒あたりから登場。
彼女は4才の時に網膜色素変性症という目の難病と診断されて、14才の時に視力をほとんど失ってしまいました。
今はYoutuberとして活動していて、登録者数はなんと100万人を超えています。自分で動画を確認したり編集したりはできないので、そのあたりの事は母にやってもらっているとの事。
少しだけ光を認識することはできる
モリーの目は見た感じの違和感が全然なく、盲目の人とは思えません。言われないと分からないレベル。
14歳までは目が見えていたのと、ほんの少しだけ光を認識する事ができるので、彼女の目は焦点がかなりあってるんですね。
(4分7秒ぐらいからモリーが今どんな感じで見えてるのかのイメージ映像があります。)
アンチのコメントにもちゃんと反論
そんな事もあって彼女の動画には「盲目のフリをしてるんじゃないか」というコメントがつく事もしばしば。
チャンネルの登録者は100万人を超えているし、さらにテレビCMに出演したりなど、彼女の活動はかなり成功していると言えます。収益もかなり得ているでしょう。
それだけ成功していればそんな声も上がりますよね。人間って見た目で判断したりしますから。
でもモリーは言われっぱなしじゃありません。ちゃんと反論動画も作っています。
よく盲目じゃない事を疑う人に聞かれるのは「盲目なのになぜ目の色は青いままで、見た感じ全然違和感がないの?」と言う質問。
モリーによると「盲目の人は目の感じが普通の人とは違う」というのは完全にステレオタイプで、盲目の人の中にもモリーのように見た目にほとんど影響しない人はたくさんいるそうです。
あともう一つ「見えないはずなのに、なぜカメラをまっすぐ見つめる事ができるの?」と言う質問にも
「盲目でも目の前にあるカメラをまっすぐ見つめるのは簡単なこと。さらに分かりやすいようにカメラの上にライトを付けていて、それが微かに見えるのでカメラの位置を忘れない」と答えています。
モリーの盲目の人ならではの視点が興味深い
「私がビックリした“目の見える人が普通に見えてるもの”」という動画。
モリーが視力をほぼ失ったのは14の頃ですが、急に見えなくなった訳ではなく、その前からすでに視力の低下が起きていたそうなんですね。
だから見えていた頃の記憶が曖昧で「えっ、それって普通の人には見えてるの?」と思う事がたくさんあるんです。
その中でも「その発想はなかった!」と思ったものを紹介します。
その1、高い建物は数十キロ離れた場所からでも見える(ことを知らなかった)
スカイツリーとか新宿の高層ビル群って、かなり離れたところからでも見えますよね?離れた分小さくなったり、細かい模様が見えなくなったりしますが、遮るものがなければちゃんと見えます。
モリーにとっては数十キロも離れた場所のモノが見えるというのは超能力のように思えるそうで、初めて知った時は「目が見えるとそんな離れた場所の情報まで入ってくるの?信じられない!」と思ったんだとか。
確かに数十キロも離れた建物は目で確認する事はできても、耳では確認できないですよね。余程大きな音を出さないかぎり、その建物から発される音は聞こえません。
耳からの情報をメインに生活するモリーが「信じられない!」と思うのも無理ないです。そんな遠くのものが見える目ってすごい。
その2、服の生地は触らなくても“見える”(ことを知らなかった)
目が見える私たちは一目見るだけで、その人が何色の服を着ているのかだけじゃなく、どんな生地の服を着ているのかも分かりますよね。例えばセーターとスウェットでは全く見た目が違います。
これもモリーにとってはカルチャーショックだったようです。色や形は見えても生地の違いまでは見えないと思ってたんだとか。
だから友達に「そのセーター似合ってるね」と言われた時に「なんで触ってないのにセーターって分かったの??」とかなり驚いたそう。
「生地の違いが見える」って今まで当たり前すぎて何も思いませんでしたが、 確かにそんな細かい生地の特徴を一瞬で捉える事ができるってすごい事です。やっぱり目ってすごい。
その3、車の中の様子は車の外から見える(ことを知らなかった)
車の中に一旦入ると、車の外から中を見ることは出来ないとモリーはずっと思っていたそうで、これも初めて知った時はかなり驚いたんだとか。車の窓は全部マジックミラーのようなものだと思ってたんだそう。
だから自分が今乗ってる車の中から、隣の車の中を見る事ができるというのもモリーにとったら驚きの新事実だったそうで、17歳の時に友達が「隣の車の人、ハナクソほじってる!汚い!」と言ってるのを聞いて初めて知ったんだとか。
これに関しては本人も「なぜそういう発想になったのかは分からない」と言っています。
こんな感じでいつの間にか思い込んでる事がたくさんあるようで、モリーにとってはこの世は“意外な新事実”の宝庫なのかもしれないですね。
モリーからするとみんな色んなものを“見すぎ”
普段、暗闇の中に光が少し見えてる様な世界で生きているモリーにとって、目が見える人たちは色々なものを“見すぎ”だといいます。
モリーは身の回りのあらゆるモノの特徴を回りの人から聞いて、頭の中でボンヤリと想像することで世の中を認識しています。
でも目が見える人は、身の回りのあらゆるモノの視覚情報がひたすら頭の中に飛び込んできます。しかもその情報はボンヤリしたものじゃなく、かなり細かい。セーターをスウェットを触らなくても見分けられる程の細かさ。
僕らは思ったよりもエキサイティングな世界で生きている
そう思うと目が見える僕らは、普段からものすごくエキサイティングな世界で生きている様に思えてきませんか?
一度、毎日見ている何気ない日常の景色を「もしこれをモリーが見たらどう感じるんだろう?」と思って見てみてください。普段と全く違う景色に見えてきます。
今回の記事で言いたかったのはそれです。以上、盲目のYoutuber、Molly Burkeの紹介でした。
※ちなみにMolly Burkeの動画は英語字幕をオンにすると字幕付きで観られるので、英語学習にも最適だと思いますよ。